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It was just a chunk of clay. [読書日記]


6月の頭からいろいろあって、世間的には大したことないありふれた事象の連続ですが、私には物悲しい日々でした。仕事場にいる犬に敷いてやっている布団が汚いからといって勝手に捨てられたこと。祖母がとうとう旅立ったこと。父がとある見合い話を喜んで持ってきたこと。現実の世界は心底がっかりさせられることばかりで、私には本という逃避なしにはどうやって腐らずに生きていられるのか不思議です。

まあ、そういうわけで読書会で読んでいる課題図書を、のめり込むようにして読みました。タイトルが

HOUSEBOAT ON THE NILE

というもので、エジプト旅行か、ナイル殺人事件のパロとかがあるのかしら?と最初に想像したのですが、全くなく、不可解なタイトル…と気になっていました。それでGOOD READERのプレビューで外人さんがそれらしいこと書いてないかな、とおもい探してみると、ありました。

the nileとはナイル川のことですが、この発音とdenail(=拒否)という英単語が、「でないる」(っぽい)でよく似ていること、それでthe Nile is not a river in Egyptみたいな言い回しがあるそうです。
ここからはわたしの想像ですが、ハウスボートというと、そこでの暮らしがイメージされるから、拒否という川の上に浮かぶ舟(=家)、否定の流れを流れる人生、…つまり、岸辺なき流れ、ということ?笑 過大解釈でしたね。
ともかく、とても面白く読み、救われました。物語の中に、主人公の一人が密かに愛着を持っているロットワイラーの陶器の置物が出てきます。主人公の一人のお気に入りの映画Hondoの犬と、たぶんオリジナルの挿話にでてくる犬とか混じり合った、その人にとって重要な象徴的存在なんだろうと思います。わたしも犬の布団を勝手に捨てられたことで一晩中泣けるくらい犬に愛着を持っているので(だってそうでしょう?犬はそこで寝ていたんですよ?自分の匂いつけて、安心できる居場所だと思って。それを汚いから捨てるなんて犬に対して思いやりがなさすぎて言葉もありません)、犬に愛着を持っている人の話には弱いのです。読みながら、ジェフリー・フォードの白い果実三部作を思い出しました。

白い果実、記憶の書、緑のヴェール。これらをわたしは10年近く前に読みましたが、今でも最も評価する作品の一つです。途中から、ウッドという犬が出てきます。最初は全く打ち解けず、可愛くない犬でしたが、忠実さと愛情の象徴でした。主人公クレイと気の遠くなるような、過酷な旅をしたウッド。

それ以来クレイは怒るのをやめた。ただ、ウッドにもう一度会いたいという気持ちだけが残った。森で狩をしていると時折、ウッドの吠え声がはるかかなかから聞こえることがあった。初めてそれを聞いたときは、その源を探して5マイルも歩いたが、一生かかっても近くことはできないとわかっただけだった。(緑のヴェール 321ページ)













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